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誰でもわかる不動産取引
> 登録簿の所有者と本当の所有者が異なる場合(中間省略登記)
不動産の購入にあたり、不動産の所有者を調べるには、対象となる土地の不動産登記簿を見れば、誰が所有者、すなわち売主なのかを調べることが可能です。
前回お話した相続によって登記名義を変更していない場合は、戸籍などで調査することも可能ですし、購入する場合は、最終的に一旦、相続人(売主)名義に登記簿を変更してもらってからの「引渡し」になります。いずれにしても売買する直前は売主と登記簿の名義は一致します。
しかし「私が売主(所有者)です」と言った人が、登記簿のどこにも出てこない。しかも売買が完了してもまったく登記簿に売主が登場しない場合があります。
果たしてこのような売主にお金を払って大丈夫でしょうか?本当に自分のものになるのでしょうか?その人が本当の売主であることを調べることは可能なのでしょうか?
◆1.意図的に自分の名義に登記していない売主とは?
不動産業者から住宅用地等を購入する場合、売主である不動産業者と登記簿の名義が一致していないことがあります。具体的には不動産業者が販売目的で購入した(仕入れた)土地を、もとの所有者のままにしておくことがあるのです。しかし、これは「うっかり」ではなく、意図的にもとの所有者の名義のままにしています。なぜ、不動産業者は購入した土地を自分の登記名義に変更しないのでしょうか。
●住宅用地の仕入れと販売の流れ
◆2.なぜ、登記名義を変更しないのか
不動産業者が購入した土地を意図的に自分の名義にしない理由は、登記名義を変更することによって発生する経費(コスト)を抑えるためなのです。不動産業者にとって販売用の土地を購入するということは、土地を仕入れるということです。つまり、極力安く買って多くの利益を得るために無駄な仕入のコストを省きたいのです。
登記名義を変更することによって、登録免許税という税金が発生します。この登録免許税が意外と高額なのです。つまり、この登録免許税を節約するために意図的に登記名義を変更しないことがあるのです。
●売買によって登記名義を変更する場合の費用
・
登録免許税
=
固定資産税評価額
× 2% (但し、H15.4.1H18.3.31の間は1%になります)
(売買などで所有権の移転をする場合)
・司法書士報酬
*この登録免許税は登記する場合に発生する税金で、登記しない場合はかかりません。
*司法書士報酬は登記手続を司法書士に依頼する場合の費用です。
◆3.どのようにしたら所有者(売主)ということがわかるの?
どのようにして本当の売主だということを確認すればよいのでしょうか。このような登記名義の異なる売主の確認方法は、この不動産を買ったときに登記名義を自分に変更するための「必要書類」を、その売主(この場合は不動産業者)が持っているか否かで判断します。つまり、安全に登記名義を自分のものに変更できるかどうかを確認します。
●登記名義の変更に必要な書類
1.対象土地の
権利証(登記済権利証)
2.登記名義人の印鑑証明書
3.実印を押した委任状・承諾書(所有権を移転しても構わない旨を記載したもの)
*この他にも書類が必要な場合があります。
つまり、今回お話しているような事例の場合、売主である不動産業者が登記名義人である山田太郎さんの「権利証」や「印鑑証明書」「山田さんの実印のついた委任状」などをもっていれば、買主である自分の名義に登記を移転できますので、真実の売主と考えてよいでしょう。また、念のため山田さんからその不動産業者が買った際の売買契約書など、確かに山田さんから不動産業者に売った証拠を見せてもらえれば安心です。
◆4.意図的に登記名義を変更していない不動産を購入する場合の流れ
このように売主と登記簿上の所有者が異なる不動産を購入する場合は、実際の売買の流れと登記簿の名義(権利の登記:甲区)の流れは異なります。
●実際の売買の流れ
●不動産登記簿の流れ
このように、登記簿上は実際の売主である不動産業者の名前は省略され、登記簿には一切登場しません。
このような登記を
中間省略登記
と呼んだりします。
以上のように、登記名義と実際の売主とが異なる場合もありますので、異なる場合は、その理由と真実の所有者であるかどうかを確認することが必要です。
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