不動産アカデミー
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前回は、所有権と賃貸権、それぞれの「住む権利」の内容について比較しましたが、購入代金のみを考えると所有権を選ぶほうが割安な感じがしました。しかし、購入した場合は、購入価格以外にも、金利や税金など、いろいろなコストが発生します。
そこで今回は、「生涯支出」という観点から購入と賃貸を比較してみます。

◆1.購入した場合のコスト(購入時に発生する諸経費は考慮しておりません)

1)金利

借入金を使い購入する場合、当然金利が発生します。この金利は長期間で考えるとかなりな金額になります。
金利と返済期間により異なりますが、普通 支払い総額は本体価格の1.5倍から2倍近くになると考えてよいでしょう。
借入金で住宅を購入した場合は、金利が本体価格を超える一番大きなコストになるわけです。

●参考<金利・返済期間と支払い総額一覧>

 
返済年数と支払い総額(円)
金利%
20年
25年
30年
35年
2%
1,214,160
1,271,700
1,330,630
1,391,304
3%
1,331,040
1,422,600
1,517,775
1,616,371
4%
1,454,400
1,583,400
1,718,695
1,859,654

*100万円あたり・元利均等返済

2)固定資産税都市計画税

不動産を保有している人すべてが払う税金です。 (但し、都市計画税は市街化区域に不動産を所有している人のみに課せられます。)

●参考<固定資産税の計算式>

固定資産税 固定資産税評価額課税標準 × 1.4%(原則)〜2.1%(市区町村による)
都市計画税 固定資産税評価額課税標準 × 0.3%(市区町村による)


固定資産税評価額
とは原則すべての土地・建物に付されているもので市区町村が3年に一度、価格を決定します。おおよそ「公示価格(国のいう所の時価)」の7割で設定されています。

*住宅用の土地については200m2まで1/6それ以上の部分は1/3に軽減されます。また、現在は特例で(課税標準)が引き下げられております。
注)課税標準とは税率をかける基となる数字のことです。

3)修繕費

住宅を購入した場合は修繕費用も案外ばかになりません。30年間で発生する修繕費用は、マンションで約900万円から1,500万円ぐらい、一戸建て住宅で1,000万円から2,000万円ぐらいというデータもあります。
なお、マンションの場合は「修繕積立金」という形で所有者全員で積み立てますが、その積立金は共用部分の修繕に充てられます。専有部分(自宅居住部分)については自分で計画的に積み立てなければいけません。 一戸建ての場合は、当然すべて自分で管理し、予想されるであろう修繕費に対して計画を立て、備えなければなりません。

◆2.賃貸の場合のコスト(入居時の費用については考慮しておりません)
賃貸の場合は所有権をもつのは所有者である大家ですので、購入した場合に発生する金利・固定資産税都市計画税・修繕費(注)などは一切かかりません。

注)修繕費について
賃借人が部屋を借りる上で必要な修繕の義務は賃貸人(大家)負っています。(民法606条)

更新料

建物の賃貸契約の期間は普通2年から3年です。契約が満了し、引き続き借りたい場合には通常、更新料を大家に支払います。(定期借家契約以外)
更新料は通常、賃料の1ヵ月程度です。 2年に1度更新すると考えると30年間で更新が15回なので、合計375ヵ月分の家賃が必要です。

賃貸の場合、基本的にこれ以外に費用は発生しませんが、大家が負担する修繕費・金利・固定資産税等については、家賃に含まれ入居者が間接的に支払っていることになります。

以上のようなことを踏まえ、自分なりに生涯支出をイメージしてみましょう。


●住宅を購入した場合の生涯支出と賃貸した場合の生涯支出イメージ
住宅を購入した場合は「自分のもの(財産)になる」が、賃貸の場合は「お金をドブに捨てているようなもので、何も残らない」というような話をよく耳にします。しかし本当にそうなのでしょうか?