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「不動産登記簿」について
ある物件の購入を考えています。不動産の権利関係を知るためには、不動産の登記簿を見ることが大事だと言われているようですが、どのようにしたら良いのでしょうか。



その不動産が存在する地域の管轄の法務局登記所)あるいはその出張所で対象不動産の登記簿の取得または、閲覧が可能です。登記簿には不動産の物理的状況・所有権に関する事項・所有権以外の事項が記載されています。

1.不動産登記簿の種類
不動産登記簿は、原則として表題部甲区乙区から成り立っています。表題部には不動産の物理的現況(その不動産の面積やどのように利用されているかなど)が記載されています。この部分を特に『表示の登記』といいます。甲区には所有権に関する事項(誰がその不動産の所有者かなど)が記載されています。乙区には、所有権以外の権利に関する事項(地上権などの不動産を利用する権利、用益物権と不動産の価値を把握する権利、担保物権など)が記載されています。甲区と乙区の登記を特に『権利の登記』といいます。
不動産登記簿は、従前はバインダーに綴られていましたが(簿冊式登記簿)、昭和63年の法改正に伴って法務局はコンピューター化を進めています。今までの登記簿謄本にあたるものが登記事項証明書となり、登記簿の閲覧に変わり登記事項要約書が交付されるようになりました。今後10年くらいのうちに全国のほとんどの法務局がコンピューター化される予定です。
登記事項証明書には、全部事項証明書、現在事項証明書、区分建物現在事項証明書、何区何番事項証明書、所有者証明書の6種類がありますが、全部事項証明書を取れば良いと思います。記載の仕方で変化した点は、まず縦書きが横書きになった点、それから抹消した部分には下線が引かれるようになった点です。

●表題部
不動産の物理的概要を記している。
(所在・地番地目地積家屋番号・種類・床面積など)
●甲区
所有権に関する事項を記している。
(所有者・差し押さえなど)
●乙区
所有権以外の権利に関する事項を記している。
抵当権根抵当権・賃借権など)


2.不動産登記簿の閲覧のしかた
不動産登記簿は、その不動産が存在する地域を管轄している法務局(俗に登記所と呼ばれている)に備え付けられています。法務局には、登記簿を取得または、閲覧するための申請用紙がありますので、そこに物件の所在地等必要な事項を記入し申請します。
ここで注意が必要なのはいわゆる住所と土地の地番は異なることが多いということです。すなわち、住居表示が実施された地域では住所は何丁目何番何号となっていますが、土地の地番は何丁目何番地となっており両者には何らの関連性もないのです。ただ地方では住居表示が実施されていない場合があり、この場合は土地の地番と住所は一致します。住居表示が実施されているか否か分からない場合は、その町の役所の住居表示課に問い合わせすることによって知ることが出来ます。住居表示が実施されていた場合、法務局に備え付けられている住宅地図(ブルーマップ)を利用して地番を特定する必要があります。
ブルーマップには住所の横におおよその地番が書いてあり、更に公図番号がでていますので、その番号をもとに公図を閲覧します(公図とは、法務局に備えられている地図のことをいいます。)。公図の地形・地番とブルーマップの地形を見比べることによって目的とする正確な土地の地番が判明するのです。建物が不明な場合は、家屋番号は調べることが出来ませんので、地番と所有者を記載して、後は法務局の職員に調べてもらうことになります。
登記簿の取得または、閲覧には一定の手数料が必要になります。手数料分の登記印紙を購入し申請書に貼って出します。なお、「電気通信回線による登記情報の提供に関する法律」が1999年11月に成立し、登記簿の情報をインターネットを通じて取得できる環境が整いつつあります。現在は、一部の法務局を対象として運用されていますが、順次利用できる法務局が拡大されています。インターネットによる登記簿の閲覧業務については、法務大臣から指定を受けた指定法人(財団法人民事法務協会)が法務局に代わって代行します。インターネットによる登記簿の閲覧についての詳しい情報については協会のホームページから得ることができます。

 

3.不動産登記簿閲覧の際の留意点
登記簿の甲区の記載は、その不動産の所有権に関する事項が記載されているので、一般的には甲区欄の最後に記載されている人がその物件の所有者であるのが普通です。したがって、例えば、ある不動産を購入する場合、甲区欄の最後に記載されている人が売主になるのが普通ですから、売主になる人が甲区欄の最後に記載されているか確認する必要があります。仮に売主になる人が甲区欄に記載されていない場合は(不動産を買ったけれども、何らかの事情で登記名義を移転していないような場合)、甲区欄に記載がない理由の説明を十分受けておく必要があります。
また、甲区欄に売主以外の人の所有権移転の仮登記が入っている場合には、より注意が必要です。仮登記はそのままでは所有権を主張できませんが、本登記になった場合は、後にされた登記より優先されるからです(登記の優先順位は順位番号の順位による)。
また、乙区にどのような登記がされているかも注意が必要です。抵当権などの担保権が付いている場合は、その担保権を引き継ぐことになるからです。したがって、このような仮登記や担保権が設定されている不動産を購入する場合は、これらの登記を所有権移転の登記を受ける前、又は同時に抹消してもらわなければなりません。更に、甲区欄に差押の登記がされている場合がありますが、これはその不動産が競売になっていることを意味しているので、そのような物件を購入してはいけません。


  No1. 売買契約と手付
No2. 瑕疵担保責任
No3. 不動産登記簿
No4. 敷金
No5. 借地権の譲渡
No6. 賃料の値上げ
No7. 賃貸人の修繕義務
No8. 敷金の差押
No9. 保証人の保証効力の期間

No10. 日照権
No11. 借地権の対抗力
No12. 定期借家契約
No13. 定期借地契約
No14. 登記簿の面積
No15. 買付証明書
No16. 即決和解
No17. 抵当権消滅請求制度